« 眠りにまつわるあれこれ | トップページ | 荒野へ Into The Wild »

2008年6月 9日 (月)

取り返しのつかないこと

をもつ気なんて1ミリもない。まさしく言語道断だと思う。被害者には何の落ち度もない。

事前に凶器を用意して車を借りて、わざわざ時間をかけて日曜の東京の、人出の多い街を選んで出てきて、自分以外の人生の背景や歴史や、未来の可能性を何もかも無視して、人を殺したんだ。

マスコミの煽りに乗らないようにしなくちゃ、まんまと乗せられないようにしなくちゃと強く思いつつも、こんな大事件がたとえば3日にいっぺんとかの頻度であってたまるかと思いつつも、それでもやっぱり、下手すると 「ニッポンは終末に向かっているんじゃないか」的な暗澹たる気持ちにとりつかれる。


町村長官の言うようなナイフ所持の取り締まりを強化するのも結構だけど、それを強化しただけで終わっちゃいそうなのがなんか怖い。冗談じゃないよ。根っこにはびこる暗闇を見て見ぬ振りして、表面的な対策だけ講じてもこの手の暴発は防げない。政治家が、行政こそが必要な手を打たないと、市井の人々レベルでいったい何をどうやって気をつければいいっていうのか。周囲の人間はみんな敵だと思えって? もう誰も信じるなって?

犯人は凶行の直前までの経過を携帯サイトに書き込んでいたというニュースを見て、その独り言のような書き込みを読んで、絶対どこかで思いとどまりたかったんだって感じた。もしかしたらそれは当の本人も自覚していないかもしれないけど。自分の恐ろしい決心を着実に実行に移していこうとする冷めた落ち着きの向こう側に、「戻れるものなら戻りたい」とでもいうような、「こんなこと本当はやりたくてやるわけじゃない」とでもいうような、人間としてごく当たり前の、その残るかけらがまだあの書き込みの時点では微かに垣間見えた。少なくとも私にはそう思えた。

だけど、もう何もかも取り返しがつかない。
自殺も、他殺も、絶対に取り返しはつかない。

|

« 眠りにまつわるあれこれ | トップページ | 荒野へ Into The Wild »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/178748/41485757

この記事へのトラックバック一覧です: 取り返しのつかないこと:

« 眠りにまつわるあれこれ | トップページ | 荒野へ Into The Wild »