« 私の成分 | トップページ | auへ »

2006年6月21日 (水)

立場と言動

婚でまだ子供のいない私は
本当のところ”親心”についてなんて何もわかっちゃいないだろうし、
子を持って初めて思うことが多いんじゃないかと思う。

今の自分の想像の及ぶ範囲はとても限られているから、
だからこれは”現在の私”という時点での、率直な、素朴な感想です。

最高裁で無期懲役を破棄、高裁に差し戻しとなった山口母子殺害事件。
夜のニュース番組に被害者の夫が生出演してるのを見ました。
VTRの中では、被告の父親が顔を伏せて取材に応じていて、
その発言に違和感を覚えまくりました。
一字一句記憶してないけど、内容はこんな感じ。

「罪を憎んで人を憎まずという言葉がある。周りの大人が悪い場合もある。
少年法はそこを考慮する意味であるのではないか」


世界中誰ひとり味方がいなくなっても、誰ひとり見向かなくなっても、
我が子が人を殺めたとしても、それでも関わり続けるのが親かもしれない。
かばい続けるのが親かもしれない。
親子の縁は切っても切れるものではない。
自分の子供が死刑になるかもしれないのを喜ぶ親はいない。
どんな状況でも子を思う、そういう親の心自体を云々いうつもりはない。
だけど。

いくら顔を伏せているとはいえ、いくら我が子が不憫だとはいえ、
TVの取材でカメラが回ってる前で
なんの落ち度もない2人を殺した男の父親がその心情を吐露するのは
控えるべきだったんじゃないかと思う。
だって、どう謝罪してもどう償っても、絶対にとりかえしがつかないのよ。
死んだ人間を生き返らせることはできないのよ。
だからこそ、親は謝り倒すくらい謝ることしかできない。
そしてTVの前で何か発言するなんてやっちゃいけないんじゃないかと思う。

最高裁の判決前にも、その父親が同じニュース番組の取材を受けていて、
「償えって言ったって無理だよ。どうしようもない。本人が償うしかない」
みたいな発言をしてました。
とても素直というか、思ったことをそのまま口にしてしまう人という印象。
そして事件後初めて?拘置所に行って息子と面会したんだそうです。

そのニュースを見たときも、やはりその父親に対してすごく違和感を覚えた。
7年も息子を放ったらかしにしてたことにも、
カメラの前で裸の心情を吐露してしまうことにも。
そうだよ、償っても償っても償いきれないよ。
被告は死刑でなければ人生やり直しがきくかもしれないけど
被害者はやり直せない。
殺された人間は人生をやり直せないよ。

もう一度改めて言うと、父が子を思う気持ち自体を「いけない」なんて
言うつもりは毛頭ないんです。
ただ立場を考えたら、親としてのそういう素直な胸の内を口にする前に
言うべき言葉がほかにあるんじゃないだろうか、と。
順番が違いませんか、と。
どうしてもそんな気がしてならなかったのです。

|

« 私の成分 | トップページ | auへ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 立場と言動:

» 光市母子殺害 無期破棄 [王様の耳はロバの耳]
無期破棄、死刑の公算 山口母子殺害事件 (共同通信) - goo ニュース 事件の概要は3月15日の記事にまとめてあるし各社の報道に詳しい 簡単に触れると1999年4月山口県光市の団地の一室に当時18歳になったばかりの被告が強姦を目的に入り込み必死で抵抗する主婦(当時23)を絞殺の後欲情を遂げ母親の異状に気が付き這い寄ると長女(同11カ月)を床に投げつけそれでも泣きながら這い寄る子を再度投げつけそれでも泣き止まぬので絞殺するという残忍卑劣... [続きを読む]

受信: 2006年6月21日 (水) 11時37分

« 私の成分 | トップページ | auへ »